『クレヨンしんちゃん』が浮世絵に! ? – 歌川広重「東海道五十三次内 原 朝之富士」をモチーフに野原一家の江戸旅が江戸伝承浮世絵木版画で実現

本作品は、歌川広重の「東海道五十三次」13番目の宿場「原宿」(現在の静岡県沼津市にある「原」)を描いた「朝之富士」をモチーフに、澄んだ朝の風景をのんびり楽しみながら歩く野原一家の姿を描いた浮世絵木版画。元となるイラストは2017年版クレヨンしんちゃんカレンダー用に描かれた水彩画(画:末吉裕一郎)で、このたび版元である版三が実際の浮世絵木版画として再現した。

カレンダーの水彩イラストとはまた違った趣を目指し、歌川広重の東海道五十三次に違和感なく溶け込むように、かつ、広重の絵も再現するという難しい試みを、版元である版三の浮世絵木版画制作の強みである絵師・彫師・摺師の連携により実現。野原一家が興味津々に東海道を旅する姿にほっこりしつつ、本格的な浮世絵木版画ならではの風合いが楽しめる作品となっている。

浮世絵木版画は絵師・彫師・摺師の三位一体の協力体制から生まれる伝統文化・技術の結晶。絵師は全体の色の校正や要素の詳細、線の一本一本まで細部にわたって描き込み、彫りや摺りの工程のために色の数や色の重なり方、線の太さなどを整えていく。求められる精度が高く、全ての工程が手作業であることから、浮世絵はすべて限定生産となっているとのこと

また、この木版画の彫摺は江戸伝承の古法によるもの。それぞれの技術者は文化財保護第八十三条によって認定された浮世絵木版画彫摺技術保存協会に所属し、さらに彫師・摺師の木版画制作技術は、文化庁保護法に基づき国指定の文化財「重要民族文化財選定保存技術」に選定されている。

そして、今回木版画に使用する和紙は、越前和紙漉元・重要無形文化財(人間国宝)岩野市兵衛氏の特別制作による純手漉和紙の越前生漉奉書。生漉奉書とは、越前和紙の看板ともいえる、その製法が国の重要無形文化財に指定されている、気の遠くなるような手間をかけて作る、日本の紙の原点ともいえる手漉きの和紙である。

本商品の販売は「版三 浮世絵工房」にて300部限定で行われ、価格は55,000円。送料は別途負担。サイズは、絵の部分が縦22.0cm×横34.8cm(富士山部分:縦23.4cm)で、額縁が縦41.4cm×横52.9cm×厚さ2.1cmとなっている。

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